遍路

叶わなかった願い


祈り


おのおのに沈め


待ち続けていた日々を

天に返す


悲しみについては黙したまま


歩きながら

消えてゆこうとする


幽刻

会えなくなった人がいる


からだを脱ぎ捨てて

会いに行く


どんなものにも


なれそうな刻


気配だけの

さびしい魔ものに


何事もなかったように

帰ってくる

また少し年をとって


椿 ~未練~

夢とうつつの境目あたりで

紅い椿を育てています


わたくしの椿は性悪だったので


夜ごと泣いて

どうしようもなく


激しく落花しましたからには


結界の向こう

淀みの底に向かって


どうしようもなく

花だけが残って


祈り

いちまんかい

たすけてと言った


こころの中だけで


いちまんかいの

沈黙があった


ゆっくりと時間をかけて

ひとり になる


寄り添うことはできる

寄り添うことしかできない


それでも